本物野菜の作り方

Ⅰ苗作りの留意点

1 種子について
①完熟種子を選ぶ
  イ)未熟種子は、発根数が少ない 発根(地下部)より発芽(地上部)が優先する生育になる
②種子の保管
  イ)種子の保管 吸湿しないよう除湿剤を入れて密閉して保管する
  ロ)春蒔き種子 冷蔵庫で保管する(冬の低温感応性)
  ハ)秋蒔き種子 冷蔵庫に入れずに高温(常温)で保管する(夏の高温感応性)

    

2 播種床について
①播種床は、プラグトレイを使う
  イ)種子の小さいトマト・ナス等 200~128穴使用
  ロ)種子の大きいキュウリ・メロン・スイカ等 128~72穴使用
②播種床の土について
  イ)軽すぎる土は禁物 もみ殻・クン炭・バーミュキライト等の多い軽い土は、気層が多く、冬は土が冷えやすく、夏は高温になりやすい
  ロ)赤土を使う 黒い土は、根が徒長しやすい。赤土は細根が多くなる
  ハ)肥料分は極力減らす 種子内に本葉1~3枚までの生育のための養分が内蔵されている
  ニ)堆肥は完熟を使う 臭うような未熟堆肥は、ガス害が発生する
  ホ)土壌消毒 石灰窒素等は有害ガスが残り、害がでる
  ヘ)練り床がベスト 培土を練り床にすると細根が多くなる

 

3 種子の蒔き時期
①満月前後に播くと良い 新月前後に播くと、根が少なく、徒長苗になる傾向がある
満月時期播きは、根が多くずんぐりした苗に仕上がる傾向がある
(苗管理でも左右される)

 

4 種子の播き方
①種子を浸種する 浸種により種子中のデンプンが糖化されることにより、発根量が増す
②浸種の裏ワザ 生種(無処理の種子)の場合(後日播種する量を処理)
①播種日の前に浸種処理する。(春・秋の低温時は2~3日前)
・種子の大きいメロン・スイカ等は播種日の4~5日前に処理する。
・種子の小さいトマト等は播種日の2~3日前に処理する。
・寒冷期は処理期間を長く、温暖暑期は処理を短期間に調整する。
②【シャングー】の500倍液を作る。(種子が全て浸る水量)
③種子を②液に15分ほど浸す。
④液に浸した種子を茶漉し等で取り出す。
⑤タオル等の布を浸種残りの②液で濡らす。
⑥濡らした布に、浸種した種子を包む。
⑦布に包んだ状態でビニール袋に入れ密閉する。
⑧密閉したビニール袋を常温で日の当らない場所に保管する。
⑨処理した種子は、水分を吸収し肥大する。
⑩播種予定日に播種出来ない場合は、5℃の冷蔵庫で短期保管。
コーティングペレット(ペレット)種子の場合(当日播種する量を処理)
①播種前に処理する。
②シャングーの500倍液を作り、霧吹きに入れる。
③種子が重ならない大きさの平たい箱にコーティング種子を広げる。
④箱に広げた種子に②液を広げた種子にスプレーする。
(スプレーは、箱を揺らしながら、まんべんなくコーティングがとろけない程度に噴霧する。)
⑤噴霧液が少し乾くまで3~5分放置し、再度④の方法で再噴霧する。
⑥再噴霧⑤を3~4回繰り返す。
⑦再々噴霧し、コーティングが崩れなく機械撒き出来る乾燥状態で播種する。(過乾燥させないでください)
⑧播種予定日に都合で播種出来ない場合は、ビニール袋に入れ密閉し、5℃の冷蔵庫で保管する。(2~5日間程度保管可能)
③種子の播き方
  イ)トレイの土は鎮圧 鎮圧することで急激な地温・水分の変化を防ぐ 。
ロ)播き穴を深く 穴を深くすることで、発芽後の灌水の水がプラグの芯に浸みるようにする。
ハ)覆土は厚くしない 播き穴を深くするが、覆土は種子の大きさ~2倍とする。覆土が厚いと根数は増えない。覆土後各プラグの中央部がすり鉢状となる。
④トレイの置き方
  イ)温床の温度設定 通常言われている28~30℃の設定では、根量が少ない。
以下の作物別の根・根毛の伸長最低温度を参考に、根の傷まない程度の最低温度に設定するのが好ましい。
根の伸長最低温度(門田)
最低温度 野菜の種類
0~2℃ ホウレン草・レタス・エンドウ・ソラマメ・ゴボウ・ネギ・大根
4℃ タカナ・キャベツ・白菜・カブ・タマネギ・枝豆・スイートコーン
6℃ トマト・オクラ・フジマメ・西洋カボチャ・セルリー・ニンジン
8℃ ナス・ピーマン・インゲン・キュウリ・日本カボチャ・スイカ・メロン
10~12℃ ヘチマ・ササゲ・トウガン
根毛の伸長最低温度(門田)
最低温度 野菜の種類
4℃ ホウレン草・レタス・白菜・キャベツ・タカナ・ゴボウ・カブ
6℃ セルリー・大根・カリフラワー
8℃ ネギ・ニンジン・ビート
10℃ タマネギ
12℃ 枝豆・トマト・スイートコーン・カボチャ
14℃ キュウリ・メロン・スイカ・ササゲ・ナス・ピーマン
16℃ オクラ・ヘチマ・トウガン
  ロ)トレイの置き方 冬 ・温床の上にビニールを敷かないこと。敷く場合は、有孔シートとする。
・温床の上のもみ殻・稲わらに充分水分を浸みこませ、その上に直接置く。
  ○○○○○○○○○○○○○○ ・床(地面)に直接置かない。直接置くとポットの土の温度が上がる。
・台を作り、その台の上に置くこと。
  ハ)トレイの上掛け 夏の播種は、新聞紙を掛けても良いが、地割れが始まったら取り除くこと。
    冬(促成栽培)の播種は、無被覆でも乾燥しにくい。
  ニ)水掛け 播種直後充分に水掛けし、発芽までは灌水してはいけない。
    発芽してからは、萎れない程度に25℃前後の冷たくない水を灌水する。
    灌水時間帯は、午前中とし、緊急時以外は午後に潅水しないこと。
  ホ)温度・湿度管理 日の出から2~3時間は30℃前後に蒸らし、以後涼しく乾燥させる。

 

5 発芽後の苗の観察の仕方
  イ)発芽が遅い程良い 発芽が早い場合は、根数が少ない。
  ロ)貝割が小さい程良 根量が多い苗は、貝割葉が小さく上がる。
  ハ)貝割に皮が無い事 根量が多い苗は、貝割葉が小さく上がるので、種子皮が外れて発芽する。
  ニ)貝割葉(発芽直後) 双葉に種の皮が被っている場合は、浸種不十分又は、発芽温度が高い。
  ホ)貝割葉(日の出後) 日の出後2時間しても、貝割葉が垂れさがっているときは、低温障害。
  ○○○(発芽3日後より) 日の出後2時間しても、貝割葉が水平にならないときは、徒長生育。
    日の出時間で、貝割葉が水平になれば正常生育。
  へ)初葉は小さい程良 第1葉は、なるべく小さく、45度に上がるのが最良。
  ト)萎れの判断 萎れ葉を親指と人差し指でつまんで、指紋の痕がつかなければ、急いで灌水する必要はない。日よけで対応する。夕方に正常になる。

 

6 仮植ポットについて
①仮植ポットの大きさ
  イ)大きすぎるポット 土が多く、水持ちが良すぎ苗が徒長する。
  ロ)小さすぎるポット 容積が小さく、根巻きして老化苗になりやすい。
  ハ)適度な大きさは 10.5cmポットが最良。
②仮植ポットの土について
  イ)軽い土は禁物 もみ殻・クン炭・バーミュキライト等の多い軽い土は、気層が多く、冬は土が冷えやすく夏は高温になりやすい。
  ロ)赤土を使う 黒い土は、根が徒長しやすい。赤土は細根が多くなる。
  ハ)肥料分は極力減らす スイカ・メロン・トマト等の完熟果を収穫する作物は特に細根が必要。
N(窒素)が多いと根が走り、細根慮が少ない性質を持つことになる。
  ニ)肥料は完熟を使う 臭うような未熟堆肥は、ガス害が出る。
    石灰窒素等は有害ガスが残り、害が出る。
③仮植ポットの土の充填について
  イ)握って固まらない土 握って固まらない(水分20~25%)の土とする。握って固まる土では仮植後に急激に根が走り、地上部が軟弱徒長生育となる。
  ロ)ポットへ詰めて鎮圧 フカフカの土では気層が多く、冬は土が冷えやすく夏は高温になりやすい。
  ハ)ポットの中央部を低く 中央部を低くし、仮植後の灌水の水がポットの芯に浸みるようにする。
  ニ)充填後ビニール被覆 充填後は、灌水しないで乾燥防止の為、ビニール被覆して置く。
    石灰窒素等は有害ガスが残り、害が出る。

                                          

7 仮植ポットへの植え付け
①仮植(移植)の時期
  イ)花芽分化期を考慮 果菜類は、花芽分化前に移植(仮植)し、活着後に花芽分化に入ることが望ましい。(次の表を参考)
主要な果菜類の第1花の花芽分化時期
種類 花芽後分化までの日数 本葉展開葉数
トマト 20~35日 3枚から
ナス 25~35日 4枚から
ピーマン 30~40日 4枚から
キュウリ 15~30日 3枚から
スイカ 30~50日 5枚から
メロン 30~50日 5枚から
カボチャ 30~50日 5枚から
  ロ)新月頃の仮植が良い 新月前後は栄養生長気味で根の伸育が良く、活着良好傾向。満月時期は生殖生長傾向で根が出にくい傾向がある。(苗管理でも左右される)
    満月頃の仮植(移植)になってしまった場合は、下記の活着促進の裏ワザを使い、苗が新月頃の活着しやすい樹体生理にすると良い。
②活着促進の裏ワザ
  イ)糖度計診断で判断 仮植2日前に、苗の生長点と最下葉の糖度を計測し、上が高く下が低く、その差が0.5~1の状態にして仮植する。
  ロ)糖度調整で活着促進 上下の差が無い場合は活着不良となる。その場合は、新陳代謝促進剤【シャングー】1,000倍を葉面散布し、上の糖度を上げ発根を好くする。
③ポットは乾燥気味でプラグトレイをドブ漬け
  イ)プラグをドブ漬け プラグトレイを25℃の冷たくない水に発根剤【フルボン】100~500倍に溶かしドブ漬けし、植えつける。
④植え付け方法
  イ)ポットの中央部を低く 植えた後が中央部を低いすり鉢状にし、仮植後の灌水の水がポットの芯に浸みるようにする。
  ロ)植穴は型棒で突いて開ける プラグと同じ形の木型を作り、押さえて植え穴をつくる。ポットの土が崩れるようであれば、事前に土俵面が湿る程度に灌水する。直前では木片に土が着いて作業がし難くなる。
  ハ)深植えは禁物 深植えは、杯軸から不定根が出て、軟弱生長する。
  ニ)植えつけ直後の灌水 植えつけ直後の灌水は、冷たくない25℃の水を1ポット10cc灌水する。灌水の水が多すぎると根が走り、苗は軟弱徒長の原因となる。

 

              

8 仮植ポットの管理
①置き床
  イ)温床の温度設定 通常言われている28~30℃の設定では、枝葉だけ育ち根量が少ない。前記「根毛の伸長最低温度」の作物別の根・根毛の伸長最低温度を参考に、根の傷まない程度の最低温度に設定する。
  ロ)ポットの置き方 冬 ・温床の上にビニールを敷かないこと。敷く場合は、有孔シートとする。
      ・温床の上のもみ殻・稲藁に充分水分を浸みこませ、その上に直接置く。
  ○○○○○○○○ 夏 ・床(地面)に直接置かない。直接置くとポットの土の温度が上がる。
      ・台を作り、その台の上に置く事。
  ハ)仮植直後は日覆い ・仮植後2~3日は直射日光を避け、軽く日覆いする。
  ニ)水管理 毎日様子を見て1鉢に10cc萎れない程度に25℃前後の冷たくない水を灌水する。苗が大きくなると、蒸発量が増えるので徐々に水量を増やす。
ポットの底土が濡れるように灌水すると苗は徒長し、老化苗となる。
灌水時間帯は、午前中とし、緊急時以外は午後に灌水しないこと。
夕方に土壌水分が多いと、夜間に徒長生育してしまう。
  ホ)温度・湿度管理 日の出から2~3時間は28~30℃前後で管理し、以後涼しく乾燥させる。高温管理時に異常高温とならないように細心の注意が必要。
  ヘ)強い夕陽は禁物 朝日は必要だが、夕陽が強く射すとエネルギーロスが起き苗がひ弱となる。
  ト)萎れの判断 萎れ葉を親指と人差し指でつまんで、指紋の痕がつかなければ、急いで灌水する必要はない。日よけで対応する。夕方には正常になる。
  チ)肥料成分の補給 本葉が3~4枚時から観察し、液肥対応する。(濃度障害に注意)
液肥は、葉面散布で施用する液肥を使用する。
②老化・徒長苗を作らない管理方法
  イ)鉢の底部で根巻きさせない ・永久根である種子根・二次根が徒長し、ポットの底部で根巻きすると苗は老化・徒長苗になり、本畑で生育調整が思うように出来なくなる。
      ・ポットの深さまでの長さの根を数多く、ポット全体に張らせること。
  ロ)対策方法 ・6の③のイ)の仮植ポット土を「握って固まらない土」に植える事。
      ・8の①のハ)の水管理で「ポットの底土が濡れるように灌水しないこと」

※苗作りは、100%に近い環境・調整が出来る唯一の期間です。
作物の栽培上の性質・特性を十分理解して、育て導くことが肝要です。

※苗作り途上の生育の観察力が大事です。
観察とは、観(み)て察することです。観察して対処して下さい。

※「苗半作」と言われますが、苗での失敗は取り取り戻せません。
「苗全作」の気持ちで全精力を傾注して取り組まなければなりません。

Ⅱ定植前の土作りの留意点

  土壌分析をしないで、作物を栽培することは、例えば、船が、海図や磁石等の計器を積まず、大海原を航海するのと同じで、運を天に(天候)にまかせて勘だけが頼りなのと同じ航海です。
勘頼みで、運を天(天候)にまかせていては、前もって事故・障害等を避けることもできず、安全で近道な航海(進路)を探し出すことは出来ません。
土壌分析をしないで作物を栽培すると、栽培途中で何時障害が発生するかわかりません。障害が発生して、その原因が掴めたとしても、回復に手間と時間と経費が掛り、収穫減が収入減になって、経営に大きなマイナスが生ずることとなります。
作物を栽培する上で、前もって障害等を予測して、植え付け前に最善の対策を講ずる必要があります。この障害等を前もって予測するのに土壌分析は不可避なことです。
土壌分析は、不足成分を探すのではなく、害を及ぼす過剰成分を見つけ出すことです。
土壌分析の診断方法(読み取り方)
  イ)NO3(硝酸態N) ①分析値が10a当たりの残肥量。元肥予定量から残肥量を差し引く。
  ロ)リン酸 ①分析値が10a当たりの残肥量(kg)。
30~50kg 既定の100%を元肥で施用
50~80kg 既定の80%を元肥で施用
80~100kg 既定の50%を元肥で施用
100kg以上 無施用
  ハ)塩基バランス ①塩基バランスは、分析値でなく飽和度を下記の式で計算する。
      ②石灰・苦土・カリの飽和度(%)は、CECの分析値を使って計算する。
石灰飽和度 = 石灰分析値 ÷ 指数28 ÷ CEC値 × 100
苦土飽和度 = 苦土分析値 ÷ 指数20 ÷ CEC値 × 100
カリ飽和度 = カリ分析値 ÷ 指数47 ÷ CEC値 × 100
      ③石灰・苦土・カリの飽和度の計算値の割合が5:2:1が最良。
CECが8以下の場合は、合計120%(75%・30%・15%)
CECが8~13の場合は、合計100%(63%・25%・12%)
CECが13以上の場合は、合計80%(50%・20%・10%)
      ④バランスが崩れ、カリが欠乏した場合は、病気や害虫がつきやすい。
  ニ)残留過剰の対処 ①過剰な成分は【ECゼロン】で取り除き、正常値に戻す。
  ホ)塩基の目標値 ①CECを基準に計算し、分析値と比較して過不足を割り出す。
      ②石灰・苦土・カリの目標値は、CECの分析値を使って計算する。
石灰目標値(kg) = 指数28 ÷ CEC値 × 0.5(50%)
苦土目標値(kg) = 指数20 ÷ CEC値 × 0.2(20%)
カリ目標値(kg) = 指数47 ÷ CEC値 × 0.1(10%)
  ヘ)塩基肥料の施用量 上記の塩基の目標から計算値を引いた値が施用値となる。
②堆肥の選び方
  イ)堆肥は、施用目的により、原料の異なった堆肥を選ぶ
  肥料成分と考える場合 鶏糞等の肥料成分の多い堆肥
化学性(CEC等)の改善 草炭等のCECの高い有機物堆肥
物理性(排水等)の改善 モミガラ・オガ粉等のゆっくり分解する有機物堆肥
  ロ)有機物(堆肥・残根等)は、土中での再発酵で有害ガスが発生して根傷みを引き起こす。
○○○○元肥時に【再活 粒】を施用して、有害ガスから根を護る。(生育途中は【再活DF】を施用)

Ⅲ定植の留意点

①定植畑の準備
  イ) 前作の残肥は取り除く 前作の過剰残肥は、取り除かないと生理障害が起きる。
除塩剤【ECゼロン】を1ℓ/10a施用し、過剰なものを洗い流す。
  ロ) 土壌消毒は定植1ヶ月前に終了 定植直前の土壌消毒は(ガス剤)は、ガスが抜けにくく根傷みする。
土壌消毒は、定植1ヶ月前までに終了するように計画する。
土壌消毒した後【再活 粒】を10kg/10a市施用でガス害を防止できる。
  ハ) 未熟有機物はガス害が発生する 未熟有機物(未熟堆肥・残根等の残渣)は再発行し有害ガスが発生するので、注意する。ガス害防止に【再活 粒】を10kg/10a施用する。
  ニ) 施肥は適正に 過剰施肥は、作物の順調生育に支障をきたす。
前述の『Ⅱ定植前の土作りの留意点』を参照に施用の必要量を計算。
②ベットの準備
  イ) ベットは低い程良い ベットが高いと表面積が多く、秋~春は低温、夏は高温障害が起きる。
平ベットがベストである。
  ロ) ベットを鎮圧する ベットの土が柔らかだと、気層が多く、寒気は冷えやすく高温期は熱くなる。又、鎮圧すると毛細管原理で土が異常乾燥しなくなる。
  ハ) 東西のベットが良い 南北のベットは、日当たりがムラになり、生育に優劣が発生する。
東西ベットがベストです。
③定植
  イ) 畑は定植前に過潅水しないこと 畑が加湿状態での定植は、活着後の発根数が少なく、徒長しやすい。
畑土が苗ポットの土より乾き気味の方が発根数が多くなる
  ロ) 苗への定植前の潅水は冷たくない水で 定植前の冷たい水の灌水・ドブ浸けは、根傷みし活着不良となる。
灌水の水温を25℃前後とする。
  ハ) 灌水・ドブ浸けの裏技 植え付け直前に、発根剤【フルボン】500倍液(水温を25℃)を灌水するか、ドブ浸けして定植すると、発根がすこぶる良くなる。
  ニ) 苗を配ってから植え付けてはいけない 苗を各穴に配布し終えてから植え付けると、配布後にポットの地温が上がり根傷みが起こる。苗は運ぶと同時に植え付けること。
  ホ) 深植えは禁物 深植えは、胚軸(茎部)から不定根が出、初期生だけ良く、後半バテる。
ポットの土が、1~2cm上がった根上がり植えが良い。(乾燥しない程度に)
  ヘ) 根締めの灌水は冷たくない水で 定植直後の根締めの水は、冷たくない25~30℃の水とする。
発根剤【フルボン】500倍液で灌水すると発根が良くなる。
月刊誌「現代農業」平成10年1月号の記事『冷たい水は、なぜよくないか』を参照下さい。
  ホ) 余り苗は観察苗として捨て植えする 余った苗は5~6本を、定植株間に『捨て植え』し、後日根から掘り上げ、発根具合を見るための苗とする。