本物野菜の作り方 ~トマト~

本物野菜の特徴と見極め方

1ヘタ ①ヘタの数が5枚で大きく、その先端が反り返っているもの。
②ヘタの間隔が均等に開いているもの。
2果形 ①ヘタ部分がやや凹み気味で、肩部分が張っているもの。
②尻部(花落部)がややとがっているもの。
③奇形でなく、ぷっくりと丸いもの。
3着色 ①ガク部分に、はっきりとした深緑色(グリーンバック)が残っていないもの。
②照りのある深い紅色のもの。
4重さ ①手に持ってずしりと重いもの。
②水に入れて沈むもの。
5その他 ①美味しく日持ちするトマトは、果皮が総じて硬い(強い)。
②烈果(果皮がひび割れ)したトマトは、美味しいものが多い。
③酸味が無く甘いだけのものは、日持ちしない。

1苗作り

①苗作りについては、前述の総論『Ⅰ苗作り』を参照ください。
※トマトは、接ぎ木が行われますので、以下をご参照ください。
トマトの接ぎ木について
①台木と穂木の播種時期をずらすことで生育調整を確実に。
  イ) 台木と穂木の発芽生育特性を調べ、播種時期を調整してください。
②接木の裏ワザ
  イ) 接木の2~3日前に、台木・穂木の接木の接木する位置の汁液糖度を計り、穂木が台木より糖度が高ければ、接木は順調に行われる。
汁液は、糖度の低い細胞から糖度の高い細胞に移動する原理が有るため。(浸透圧の原理)
  ロ) 穂木の糖度が低い場合は、穂木だけに葉面散布剤【シャングー】1000倍液を葉面散布すると1~2日後には糖度が上がる。

2トマトの特記事項

トマトの良否は開花の状態で決定 トマトの出来・不出来は、開花時の子房の糖度で決まる。
・着果不良は、開花の子房の糖度が、成長点より低い時。
・トマトの品質を上げるには、花の子房の糖度が成長点より高いこと。
肥大時に硝酸が多いと問題多発 ・肥大期に青玉果を食してみて硝酸態チッソが200ppm以上ある時は苦みを感ずる。
苦い場合は、後尻腐れ・軟弱果摘果等が発生しやすい兆候。
品質を上げるには細根の多い栽培を ・細根数は、苗~定植1ヶ月の管理で決まる。

3トマトの生育観察の仕方

葉の形・姿 ・第1花房が、本葉を根もとから数えて8枚目が正常生育
11枚目の場合は苗の失敗で徒長しやすいことになる。
・葉が厚く、小ぶりで、葉先が丸くなく尖り気味で、欠剋が深い程良い。
・葉先が垂れなく、上を向いているものが良い。
・生長点が横を向き、小さい蕾の花房が上になっている姿が良い。
・トマト がピンポン玉程度になっている位置から下の葉に、花房の方向には葉が出ない。全てのトマトが一方向に揃って出て、むき出し状態になっている姿が良い。