微生物資材/バイオスティミュラント

微生物ベースのバイオスティミュラントの活用

「畑の菌活」しましょう!

★4種類の微生物資材について、特長や使い方をまとめた資料を以下のリンクよりダウンロードできます。
📄 4種類の微生物資材の特長[PDF]
📄 4種類の微生物資材を使う順序[PDF]

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根から作物を変える「微生物の力」

みずほアグリサポートでは、 根圏環境を改善し、作物の潜在能力を引き出す微生物資材 を提供しています。

これらの微生物は土壌中や植物の根の周囲で働き、 次のような効果をもたらします。

  • 根の発達
  • 栄養吸収の向上
  • 病害抑制
  • ストレス耐性の向上
  • 収量や品質の向上

4種類の微生物資材

  • ① スーパー菌根菌 《水・肥料を吸う根を増やす》

    植物の根に共生する菌類の一つに 菌根菌があります。 菌根菌は植物の根と共生し、菌根菌のネットワークを作り、 植物に必要な水分や養分を供給します。

    菌根菌が根と共生することによって、 根の吸収力を飛躍的に高めます。

    菌糸は根のおよそ 1/10の細さで、 根が届かない土壌の微細な空間まで入り込み、 水や栄養を吸収します。

    また、菌根菌のネットワークを通じて、 植物同士がコミュニケーションを取っているとも考えられています。

    主な効果
    • 水分・養分吸収の改善
    • 活着の向上
    • 根量の増加
    • 光合成能力の向上
    • 乾燥・塩害などストレス耐性向上

    スーパー菌根菌 には、 2種類の菌根菌と リン溶解菌が含まれています。

  • ② Nフィックス 《空気中の窒素を肥料に変える》

    空気の約78%は窒素ですが、 そのままでは植物が肥料として利用することはできません。

    窒素固定菌は空気中の窒素を取り込み、 植物が利用できる形に変換し、 植物へ肥料分として供給することができます。

    主な効果
    • 窒素供給を補助
    • 固定化した肥料成分を可給化
    • 収量増加
    • 根の発達促進(オーキシン生成)
    • ストレス耐性向上(ACCデアミナーゼ)

    Nフィックス には、 窒素固定菌が含まれています。

    圃場試験では、 窒素施用量を削減した上で、最大27%増収 などの結果が確認されています。

    穀物および工芸作物の試験結果
    作物 窒素施用
    削減率(%)
    窒素
    削減量(kg)
    窒素施用量の変化(kg) 窒素21%肥料
    換算量(kg)
    (硫安等)
    収量
    増減率(%)
    場所
    小麦 -40% 83 216 → 133 395 = アイルランド
    トウモロコシ -25% 80 320 → 240 381 +13% フランス
    トウモロコシ -30% 83 303 → 220 394 +27% スペイン北部
    飼料用トウモロコシ -20% 38 192 → 154 181 +1% ポルトガル
    大麦 -30% 44 180 → 136 210 +8% スペイン北部
    大麦 -50% 90 180 → 90 429 +2% スペイン北部
    菜種 -30% 54 180 → 136 247 +10% ポーランド
  • ③ プラントプロテクト菌 《病気に強い根をつくる》

    作物の健全な生育に有用な根圏微生物の一つに、 シュードモナス菌があります。

    シュードモナス菌には、 土壌中のリン酸を可溶化する働き、 成長促進ホルモンを生成する働き、 抗菌物質や鉄キレート物質を分泌することによって 病原体を抑制する働きなどがあります。

    プラントプロテクト菌 は、有益菌 シュードモナス・フルオレッセンス GR-322 を配合した微生物資材です。

    根の周囲に バイオフィルムを形成し、 病原菌の侵入を防ぎます。

    主な効果
    • 土壌中のP(リン)・K(カリ)・Fe(鉄)などの養分を可給化
    • 植物の栄養状態改善
    • 開花・着果促進
    • 品質向上(糖度・色・重量)
    • 収量向上
  • ④ 根圏サポート 《土壌微生物環境を整える》

    根圏微生物として トリコデルマ菌も非常に有用です。

    トリコデルマ菌には、 フザリウム、ピシウム、リゾクトニア などの病原菌を抑制する能力があります。 また、根量増加やストレス耐性向上などの効果もあります。

    トリコデルマ菌はバチルス菌との相性が良く、 病害抑制、収量増加、品質向上などの 相乗効果が期待できます。

    根圏サポートには、 トリコデルマ菌を中心に、 バチルス・メガテリウム菌、 菌根菌が含まれています。

    主な効果
    • 土壌と根の健全化
    • 自然免疫(誘導抵抗性)向上
    • 栄養吸収促進
    • 発根促進
    • 活着率向上
    • 収量増加

    微生物が根圏で定着し、 長期的に根の環境を改善します。

微生物資材の役割分担

資材 主な役割
スーパー菌根菌 水・養分吸収を拡大
Nフィックス 窒素供給
プラントプロテクト菌 病害抑制・養分可給化
根圏サポート 根圏環境の総合改善

微生物資材を使うメリット

  • 根量増加
  • 活着向上
  • 肥料効率向上
  • 病害抑制
  • ストレス耐性向上
  • 収量・品質向上

土壌から作物の力を引き出します!

4種類の微生物資材を使う順序

― 根への定着 → 発根・活着 → 栄養成長 → 養分可給化へ ―

みずほアグリサポートの微生物資材4種は、 すべてを同時に使用するのではなく、 それぞれの微生物が根や根圏に定着しやすい時期に、 段階的に使用することを基本とします。

基本的な使用順序

定植時: スーパー菌根菌 → その後: 根圏サポート → 活着後: Nフィックス → 生育安定後または開花期: プラントプロテクト菌

具体的な日数としては、 定植時、約7日後、約15日後、約30日後 が目安として示されています。
ただし、実際の圃場では生育や根の状態に差があるため、 日数を固定せず、ある程度幅を持たせて使用します。

基本スケジュールの目安

育苗後半~定植時を中心に、 遅くとも定植後1週間程度まで
菌根菌は4資材の中でも定着に時間がかかるため、 できるだけ早い時期に根へ接触させます。

特に、

  • 育苗後半
  • 定植時
  • 定植直後
など、 新しい根がこれから動き始める時期 が適しています。
↓

定植後7~10日頃を目安に使用

定植後、移植ショックから回復し、 根が再び動き始める時期に使用します。
発根・活着を促し、 トリコデルマ菌・根圏細菌・菌根菌 などによって、 初期の根圏環境を整えることが目的です。

病害リスクが高い場合は、 その後20~45日程度を目安に再施用する方法もあります。

↓

定植後15~20日頃を目安に、 活着を確認して使用
植物がしっかり活着し、 根や茎葉の生育が動き始めた頃に使用します。

窒素固定による窒素供給に加え、

  • 固定化した肥料成分の可給化
  • オーキシン生成による根の発達促進
  • ストレス耐性向上
  • 栄養成長の促進
などを支えます。

↓

定植後3~5週間頃、 または開花期を目安に使用
根圏ができ、 生育が安定してきた段階で使用します。

主な役割は、

  • 根の周囲へのバイオフィルム形成
  • 病原菌の侵入抑制
  • P、K、Feなどの養分可給化
  • 栄養状態改善
  • 開花、着果促進
  • 品質、収量向上
です。

その後、必要に応じて 果実の発育期間中にも繰り返し使用します。

現場での考え方

日数だけで判断するのではなく、 次のように 植物の状態を見ながら使用時期を決めます。

スーパー菌根菌
→ できるだけ早く根と接触させる

根圏サポート
→ 定植後、根が動き始めた頃

Nフィックス
→ 活着が確認でき、栄養成長が始まった頃

プラントプロテクト菌
→ 根圏が安定し、開花・着果へ向かう頃

つまり、 「何日後だから使う」のではなく、 「その生育ステージになったら使う」 という考え方を基本にします。

スーパー菌根菌とNフィックスを混用する場合

スーパー菌根菌とNフィックスは 混用可能です。

混用する場合は、次の順序で調製します。

  1. 水を用意する
  2. Nフィックスを先に入れ、十分に溶かす
  3. その後スーパー菌根菌を加える
  4. よく混ぜて施用する

Nフィックスに含まれる プレバイオティクス成分を十分に溶解させるため、 Nフィックスを先に溶かしてから、 スーパー菌根菌を加えます。

ただし、混用可能であっても、 それぞれの微生物を根圏へしっかり定着させるためには、 基本的には時期をずらして使用する方法を優先します。

【重要】上記の日数はあくまで目安です。

作物、温度、土壌水分、定植時の根量、 移植ストレス、栽培方式などによって、 根が動き始める時期や活着までの日数は変わります。

そのため、

スーパー菌根菌 → 根圏サポート → Nフィックス → プラントプロテクト菌

という基本順序を守りながら、 「根が動いたか」 「活着したか」 「生育が進んだか」 「開花・着果期に入ったか」 を確認して、 使用時期を調整することをおすすめします。

微生物を活かした栽培を

チッソ固定菌と菌根菌、リン溶解菌をうまく活用して 肥料を控え、 さらにシュードモナス菌やトリコデルマ菌などの 根圏微生物を活用することで、 病害に強い体質づくりと、 できるだけ環境に負荷をかけない作物栽培 を目指しましょう。

フルボ酸などの腐植酸は、 これらの微生物の生長を促進します。

フルボン との併用をおすすめします。

微生物資材の解説図(Nフィックス/スーパー菌根菌/プラントプロテクト菌/根圏サポート/フルボン ほか)
図をクリックすると、原寸画像が新しいタブで表示されます。

※出典:現代農業 2024年10月号「共生菌の力」図を引用